
院長:こいしお気軽にご相談ください!
突然ですが、夜中に寝返りを打った瞬間、天井がぐるぐると回り出した経験はありませんか。「脳の病気では」と真っ青になって、暗い部屋の中でスマホを握りしめた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
寝返りを打つだけでめまいを引き起こしてしまう方がいらっしゃいます。このような場合、頭の位置が変わることでめまいが誘発されているため、耳の周りに何らかの不具合が生じている可能性があります。
そして、めまいが起きたときに「やってしまいがちなこと」が、じつは症状を悪化させたり、回復を遅らせたりする原因になっていることがあるのです。今回は自律神経の乱れとの関係も含めて、整体院きなり・高槻院院長の磊 丈弘が、寝返りでめまいが起きたときに絶対に避けてほしい3つのことと、正しい対処法をお伝えします。




私自身も20代のころ、自律神経失調症やパニック障害に悩んだ経験があります。誰にも相談できずに一人で抱え込んでいたあの頃、正しい知識があれば違ったかもしれない。そういう思いで、今回この記事を書きました
「やってはいけないこと」をお伝えする前に、まずめまいが起きる仕組みを簡単に知っておきましょう。仕組みを理解することで、なぜその行動がNGなのかが、ずっとスムーズに腑に落ちるはずです。
寝返りという動作は、頭の向きが大きく変わる動きです。健康な状態であれば問題ないのですが、耳の周りに不具合があると、頭が動くたびにその変化が刺激となって強いめまいを引き起こします。このような「頭の位置の変化で誘発されるめまい」を、医学的には「頭位変換性めまい」と呼びます。
私たちの耳の奥には「三半規管」という体のバランスを感知するセンサーがあります。その近くには「耳石器」という、小さな石(耳石)が集まった器官があります。この耳石が何らかの原因ではがれて三半規管に入り込むと、頭を動かすたびにリンパ液が異常に揺れて、強いめまいが発生します。これが「良性発作性頭位めまい症(BPPV)」と呼ばれる状態です。
特に朝の起き上がりや夜中の寝返りで症状が出やすいのは、長時間同じ姿勢でいた後に頭が大きく動くからです。40〜60代の女性に多い傾向があるのは、閉経後のカルシウム代謝の変化によって耳石がもろくなりやすいためと考えられています。
めまいが起きたとき、多くの方が「なんとかしなければ」と焦って行動してしまいます。その気持ちはよくわかります。しかし、その焦りからくる行動が、かえって症状を長引かせたり悪化させたりすることがあるのです。ここでは特に注意してほしい3つのことをお伝えします。
めまいが起きた瞬間、多くの方が反射的に「起き上がらなければ」と体を起こそうとします。しかしこれは逆効果です。急に体を起こす動作は頭の位置をさらに大きく変化させるため、三半規管の中の耳石を余計に動かしてしまい、めまいが一気に強くなることがあります。
正しい対応は「じっとすること」です。めまいが起きたら、まずその場でできるだけ動かずに、症状が落ち着くまで待つことが最優先です。焦らず、ゆっくりと呼吸を整えながら、めまいが治まるのを静かに待ちましょう。
「頭を動かせばめまいが治まるかもしれない」と思って、頭を左右に激しく振ったり、何度も寝返りを繰り返したりする方がいらっしゃいます。これも避けてほしい行動のひとつです。三半規管に入り込んだ耳石は、激しく頭を動かすことでさらに奥へと移動してしまうことがあります。
耳石を元の位置に戻すための「エプリー法」などのリハビリ体操はありますが、これは正しい方向と角度で行うことが前提です。やみくもに頭を動かすのではなく、症状が落ち着いてから、正しい方法で行うことが大切です。
何度か同じ経験をしているうちに、「どうせすぐ治まる」と慣れてしまって対策を後回しにしてしまうケースがあります。一度で治まるめまいなら問題ないこともありますが、繰り返すめまいを放置するのは要注意です。
めまいが繰り返される背景には、耳石のトラブルだけでなく、自律神経の乱れが深く関わっていることがあります。内耳への血流が低下すると、耳石の代謝や三半規管の機能に悪影響が出ることがわかっています。繰り返すめまいは「体からのサイン」として受け取り、早めに対策を取ることをおすすめします。
急性期が過ぎて症状が落ち着いてきたら、次のステップとして再発予防に取り組んでいきましょう。日常生活の中でできることから始めるだけで、ずいぶんと変わってきます。
いきなり上体を起こすのではなく、まず横向きになり、ゆっくりと足を床へ下ろしながら起き上がる習慣をつけましょう。この「ゆっくり起き上がり」を意識するだけで、朝のめまいを予防できるケースが多くあります。
低すぎる枕は、三半規管に耳石が入り込みやすい姿勢を作ってしまいます。やや高めの枕を使い、頭が15〜20度程度の角度になるようにすると、耳石が三半規管に迷い込みにくくなります。また、毎晩同じ方向を向いて寝る習慣のある方は、左右を交互に変える意識を持つだけでも予防につながります。
繰り返すめまいには、自律神経を整える生活習慣の見直しが欠かせません。睡眠時間を一定に保つこと、朝に太陽の光を浴びること、この二つだけでも自律神経のリズムを整える大きな助けになります。就寝前の深呼吸(鼻からゆっくり吸って、口からゆっくり吐く)は副交感神経を優位にし、体の緊張をほぐす効果があります。5分間だけでも、ぜひ試してみてください。
「耳石の問題なら、耳鼻科だけで解決するのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、初めてのめまいや急性期には耳鼻科や神経内科での受診をおすすめします。しかし、検査で異常が見つからないにもかかわらず、めまいが繰り返されるケースは決して少なくないのです。
自律神経は血流・体温・呼吸など、体のあらゆる機能を24時間調整している神経です。ストレスや睡眠不足が続いてこのバランスが崩れると、内耳への血流が低下し、耳石の代謝や三半規管の機能にも悪影響が出てきます。つまり、耳のトラブルと自律神経の乱れは、切り離して考えられない関係にあるのです。
次のような症状がめまいと合わせて出ている場合は、自律神経の乱れを疑ってみてください。
これらの症状が重なっている場合、めまいだけを単独で治療しようとしても根本的な改善につながりにくいことがあります。体と心の両方からアプローチすることが、回復への近道になります。
実際に当院に来院された方の中にも、「寝返りのたびにめまいがして眠れない」「病院でも原因がわからない」という状態から回復された方がいらっしゃいます。
「ふらつきと食欲不振が続き、病院では『異常なし、自律神経失調症』と言われました。先生は優しく症状を説明してくださり、大丈夫と言われ続けることで不安感が和らいでいきました。5ヶ月ほど続けたところ、少しずつ不安感やふらつき、動悸がなくなり、以前の元気な状態に戻ることができました」(30代・女性)
「毎年、春先から夏にかけて自律神経の症状で眠れなかったり体が痛かったりで困っていました。施術を受けてから半年ほどで症状が少しずつ改善され、深く眠れるようになりました。毎朝起きると両手がしびれていたのが、ほとんどなくなりました」(50代・女性)
寝返りを打ってめまいが起きるとき、体はあなたに何かを伝えようとしています。頭の位置の変化でめまいが誘発されるということは、耳の周りに何らかの不具合が起きているサインです。「年だから仕方ない」「気にしすぎ」と片付けてほしくないのです。
私自身、20代に自律神経失調症とパニック障害で苦しんだ経験を持っています。正しい知識がなく、誰にも相談できずに一人で抱え込んでいたあの頃の自分に「大丈夫、ちゃんと治る道がある」と伝えてあげたかった。その想いで、今もこの仕事を続けています。
めまいが繰り返される、なかなか治らない、病院で「異常なし」と言われたけれど苦しい。そんな方は、どうか一人で抱え込まないでください。心も体も、一緒に診ていきます。いつでもお気軽にご相談ください。

