
院長:こいしお気軽にご相談ください!
こんにちは、整体院きなり・高槻院の磊です。今日は、自律神経の不調を抱えながらも「いつか旅行を思いきり楽しみたい」と感じているあなたに向けて、お話をしていきます。自律神経失調症の方こそ、工夫次第で旅行をうまく活用し、心と体のリセットにつなげていくことができるんですよ。


症状があると旅行をあきらめがちですが、「ゆっくり」「ゆったり」をキーワードにした旅に変えることで、自律神経のケアにもつながっていきます
当院にも、「家族旅行に誘われても、めまいや動悸が不安で素直に楽しめない」「飛行機や新幹線に乗ると思うと、出発前から緊張でいっぱいになる」という方が多く来られます。でも一方で、「思い切ってゆったりした旅に変えたら、むしろ体が楽だった」「旅先では症状が軽く感じた」という声もたくさんあるんです。ここから、自律神経失調症と旅行をうまく付き合わせていくための7つのヒントをお伝えします。


自律神経は、体のオンとオフを自動で切り替えてくれている大切なシステムです。仕事や家事、対人関係のストレスが続くと、どうしても緊張モードである交感神経に偏りがちになり、心も体も休みにくくなってしまいます。そんな状態が続くと、めまい、動悸、息苦しさ、だるさ、不眠など、いわゆる自律神経失調症と呼ばれる不調として現れてきます。
そこでひとつの選択肢になるのが、「環境そのものを一度変えてみる」ということです。日常のルーティンから離れ、違う景色や時間の流れの中に身を置くことで、頭の中の緊張が少しゆるんでくる方が多いです。特に自然の多い場所や温泉地などは、景色やにおい、肌に触れる空気からもリラックスの刺激が入り、副交感神経が働きやすくなります。旅行そのものが治療ではありませんが、うまく使えば、心と体を同時にリセットするきっかけになってくれることがあります。
一方で、自律神経の不調があるときにやってしまいがちな落とし穴もあります。それが、「せっかく行くなら」と予定を詰め込みすぎてしまうことです。あれもこれもと観光地を巡ったり、朝から晩まで予定をパンパンにしてしまったりすると、元気なときでもクタクタになりますよね。自律神経が乱れやすい状態ならなおさら、帰ってきてからどっと疲れが出てしまうことが多いです。
また、移動時間が長すぎる計画も注意が必要です。夜行バスでの長距離移動、乗り継ぎが多いフライト、早朝から深夜まで移動を続けるようなスケジュールは、それだけで体に大きな負担になります。自律神経のケアとして旅行を考えるなら、「たくさん回る旅」ではなく、「できるだけ負担を減らした旅」を選ぶことがポイントになってきます。自分の体力と相談しながら、あえて余白のある計画に変えていくことが大切です。
自律神経失調症と旅行をうまく付き合わせるためのキーワードは、「ゆっくり・ゆったり」です。観光地を全部制覇する旅から、「今日はここだけ行けたらOK」と自分に許可を出す旅にシフトしていくイメージです。たとえば、午前中に一か所だけ観光をしたら、午後は宿やカフェでのんびり過ごす。チェックインしたら、無理に外出せず、お風呂や温泉に浸かって早めに布団に入る。そんな流れにするだけでも、旅の疲れ方は大きく変わってきます。
「せっかく来たのにもったいない」と感じるかもしれませんが、自律神経のケアという視点で見れば、全部を見なくていいんです。むしろ、ひとつひとつを丁寧に味わいながら過ごすこと自体が、心と体の休息につながっていきます。周りのペースに合わせる旅ではなく、自分のペースで心地よく過ごす旅に切り替えていくことが大切です。
自律神経失調症の方が旅行に不安を感じる理由のひとつに、「もし具合が悪くなったらどうしよう」という怖さがあります。この不安を少しでも軽くするためにできるのが、「事前に安心材料を増やしておく」ということです。旅行の1週間前くらいから、できる範囲で睡眠と食事のリズムを整えておきましょう。直前ほど準備で夜更かししやすいですが、前日は特に早めに休むことを意識してください。
持ち物も、「自分が安心できるもの」をそろえておくと心強いです。普段飲んでいる薬や頓服薬、酔い止め、頭痛薬、冷え対策の靴下や腹巻き、リラックスしやすい音楽やアロマなど、自分の弱点をカバーできるものを先にピックアップしておきましょう。準備ができているという感覚そのものが、不安を和らげてくれます。さらに、一緒に行く家族や友人に「体調によっては休みながら回りたい」ということを事前に伝えておくと、当日も無理をせずに済みます。
旅行で自律神経に負担がかかりやすいのは、移動中です。同じ姿勢で長時間座り続けると、血流が悪くなり、めまいやだるさが出やすくなります。車や電車なら、サービスエリアや駅でこまめに降りて歩く時間を作る。飛行機なら、可能な範囲で席を立って軽くストレッチをする。席に座ったままでも、足首を回したり、ふくらはぎを動かしたりするだけで違います。
また、乗り物が苦手な方は、事前に酔い止めを飲んでおくのも選択肢です。薬を飲むこと自体が悪いのではなく、「安心して移動できるかどうか」が自律神経には大事になります。移動中は、スマホを見続けるよりも、景色を眺めたり、目を閉じて呼吸をゆっくりする時間を増やしてみてください。呼吸が浅くなっていると感じたら、意識的に息を長く吐くことを繰り返すだけでも、体の緊張は少しずつゆるんでいきます。
旅行中はどうしても、「せっかくだからまだ動ける」と限界ぎりぎりまで頑張ってしまいがちです。ですが、自律神経失調症があるときは、「少し余裕があるところでやめておく」くらいがちょうど良かったりします。宿に戻って30分だけ横になる、カフェで温かい飲み物を飲みながらぼーっとする、散歩の途中でベンチに座って深呼吸をする。そんな小さな休憩を、あらかじめ自分に許してあげてください。
特におすすめなのは、昼寝の時間をあえて予定に入れてしまうことです。短時間でも横になることで、脳と体がいったんオフになり、午後からの行動が楽になります。観光をしながらも、「今日はどこで休もうかな」と考えるくらいの感覚が、自律神経にとっては優しい旅のスタイルです。頑張って動き続ける旅ではなく、「休むこと」も計画に組み込んだ旅を目指してみてください。
楽しい旅行の後は、どうしても疲れが出ます。ここで「明日からまた全力で頑張らないと」と急にギアを上げてしまうと、自律神経がついていかず、体調を崩しやすくなります。できれば、帰宅した翌日は予定を詰め込まず、ゆっくり片づけをしたり、早めにお風呂に入って休んだりする日にしてみてください。
また、旅行中に乱れた睡眠や食事のリズムを、数日かけて少しずつ元に戻していく意識も大切です。ここで焦らず、自分をねぎらう時間を持つことで、「ああ、今回はちゃんと自分を大切にしながら旅行できたな」と感じられるようになります。そうした成功体験の積み重ねが、「またどこかに行ってみよう」という前向きな気持ちにつながり、自律神経にも良い影響を与えてくれます。
自律神経失調症やパニックのような症状を経験してきた立場から、伝えたいことがあります。それは、「症状があるからといって、旅行や楽しみを全部あきらめなくていい」ということです。もちろん、今はまだ無理をしない方がいい時期もありますし、体調によって優先すべきことは変わります。それでも、準備と工夫次第で、少しずつ「できること」を増やしていくことはできます。
整体院きなり・高槻院では、体のゆがみや筋肉の緊張を整える施術と合わせて、心の状態も一緒に見ていきながら、あなたに合ったペースで自律神経のケアを進めていきます。いつか「安心して旅行に行ける自分」になっていくことは、決して夢物語ではありません。一人で不安を抱え込まず、よければ一度、今の状態や不安なことをそのまま聞かせてください。あなたのペースを大切にしながら、もう一度、旅や日常を楽しめる体と心を一緒に目指していきましょう。

